センター長あいさつ

平成27年4月より、センター長をしております沢田と申します。以後よろしくお願いいたします。

社会基盤施設(インフラ)の維持管理の重要性が注目されているなか、国土交通省では、戦略的な維持管理・更新のために重点的に講ずべき施策として、技術者・技能者の育成・支援を挙げています。安全安心な社会生活のために、インフラの点検や診断ができる技術者の育成は最重要課題であり、各地で維持管理に関する研修などが開催され、建設に携わる「ひと」の重要性が認識されてきました。平成20年に開始した社会基盤メンテナンスエキスパート(ME)養成講座は、これまでに14 回の講座を終え、のべ309名の修了者を輩出しました。25年度からME養成講座は、岐阜大学大学院の履修証明プログラムとなり、27年度からMEは岐阜大学の認定資格となりました。

平成28年度からは、ME養成講座は、社会人や企業等のニーズに応じた実践的・専門的課程として、文部科学省から「職業実践力育成プログラム」と認定されます。また、当初から連携している長崎大学をはじめ、愛媛大学、山口大学、長岡技術科学大学、舞鶴工業高等専門学校との協力関係も拡がりはじめています。このように継続発展いたしてまいりましたのも、ひとえに関係者のご支援の賜物とここに深く感謝申し上げます。
情報化と見える化により「ICT技術の全面的な活用」・「規格の標準化」・「施工時期の平準化」の3つを達成することで、調査・設計から施工・検査、さらには維持管理・更新といったプロセスの最適化による生産性の向上を目指すi-Constructionが国によって推進されます。しかし、多くのよい情報であっても、その扱いを間違えると、生産性の向上はおろか、生産すらできません。また、土木で最重要である安全を確保できなくなります。土木の目的のために、道具や方法としての情報を使いこなす知識と技術が必要であり、ME養成講座はそれらを学ぶ場所として存在します。

知識や技術は、一度修得したからといって安心していると、陳腐化します。手当てしないインフラが徐々にその機能を低下させていくことと似ています。ME養成講座は、インフラのアセットマネジメントに関連する技術を習得することを目的とした4週間の集中講座です。受講期間中に、受講生の多くが、知っておくべきことがたくさんあることに気付き、さらなる継続的な勉強が必要であることを認識します。さらに、ME認定後も土木技術者としての誇りをもって勉強し続けようという向上心を持つようです。そして、MEの会では積極的にフォローアップ研修を開催しています。

岐阜大学工学部附属インフラマネジメント技術研究センターでは、ME養成の他にもインフラマネジメントに関する研究も実施しています。インフラに関する疑問や要望があれば、気軽に相談してください。